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空き家を解体すると固定資産税は6倍?翌年の税額を確認する5つの手順

解体後に「固定資産税が6倍になる」と聞いても、いまの納税額を6倍する計算ではありません。変わるのは土地の住宅用地特例で、家屋にかかっていた税は解体後になくなります。

土地と家屋を分け、解体日の翌年1月1日に家があるかを確かめると、自治体へ問い合わせる数字がそろいます。

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家を解体する前後で土地分と家屋分の固定資産税を分けて考える図
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土地と家屋を別々の箱に分け、解体後は土地の軽減が外れ家屋分がなくなることを示す図

1. 「6倍」の範囲を土地と家屋に分ける

住宅が建つ土地には、住宅用地特例があります。住宅1戸につき200㎡以下の小規模住宅用地は、固定資産税の課税標準が評価額の1/6、都市計画税は1/3です。

200㎡を超える部分は、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3です。固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税の制限税率は0.3%とされています(国土交通省「土地の保有に係る税制」)。

都市計画税は、市街化区域など対象地域にある土地・家屋へ課されます。納税通知書に都市計画税の記載がなければ、固定資産税だけを使います。地域外の家に0.3%を足す必要はありません。

家を壊して住宅用地ではなくなると、土地の軽減は原則として外れます。一方、翌年1月1日に存在しない家屋には、翌年度の家屋分は課税されません。

税の区分解体前解体後
土地の固定資産税住宅用地特例あり特例が原則外れる
土地の都市計画税住宅用地特例あり特例が原則外れる
家屋分家屋の評価額に応じて課税翌年1月1日に存在しなければ課税なし

したがって、土地の課税標準だけを比べた「6倍」と、土地・家屋を合計した納税額の倍率は別物です。八尾市も、厳密には固定資産税全体が6倍になるわけではないと案内しています(八尾市「Q&A 空き家に関すること」)。

分ける数字:土地の固定資産税、土地の都市計画税、家屋の固定資産税、家屋の都市計画税。通知書に都市計画税がなければ、その欄は0円とします。
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納税通知書から土地と家屋の評価額、課税標準額、年税額を書き写す図

2. 納税通知書の土地・家屋を転記する

まず、固定資産税の納税通知書に付く課税明細書を手元に用意してください。土地と家屋を別々に見て、所在地、地番、地積、評価額、課税標準額、税相当額を拾います。

敷地が複数の地番に分かれている場合は、家が建つ土地、私道、畑などを同じ行に足さないでください。各地番の地目と住宅用地の表示が分かれば、どの土地の特例が変わるのかを資産税担当へ相談できます。

通知書によっては、土地・家屋別の税相当額が記載されず、合計の年税額だけの場合があります。そのときは地番と家屋番号を控えておくと、市区町村の資産税担当へ内訳を尋ねられます。

次の数字は、実際の納税額を予測するものではなく、住宅用地特例の仕組みを示す単純な例です。評価額1,200万円、全体が200㎡以下の土地で計算すると、解体前の固定資産税は「1,200万円×1/6×1.4%=2万8,000円」、特例が外れた後は「1,200万円×1.4%=16万8,000円」になります。

家屋の固定資産税が6万円なら、固定資産税の合計は解体前8万8,000円、解体後16万8,000円で、約1.9倍です。これは都市計画税を含めず、負担調整措置や自治体独自の減免も省いた説明用の例です。

土地の税負担が急に増えないようにする負担調整措置もあるため、解体後の課税標準額が直ちに評価額と同額になるとは限りません。手計算は増減の方向をつかむために使い、実際の試算は通知書の数字を自治体へ伝えて依頼します。

実際の納付額を評価額だけで決めず、「解体予定日を前提に翌年度はいくらか」と市区町村へ尋ねてください。課税標準額と評価額が違う場合は、自己計算より自治体の試算を優先します。

  • 土地の所在地、地番、地積、評価額、課税標準額
  • 家屋番号、解体予定日、建物滅失登記の予定
  • 現在の土地・家屋別の税相当額と、翌年度の試算額
電話の聞き方:「課税明細の地番○○、家屋番号○○を○月に解体予定です。翌年度の土地分と、なくなる家屋分を分けて教えてください」。
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解体日と翌年1月1日をカレンダー上で結び、翌年度の課税判定を示す図

3. 解体した翌年度から土地・家屋の税額が変わる

住宅用地かどうかは、固定資産税が課税される年の1月1日時点で判定されます(国土交通省「空き家対策 特設サイト」)。

たとえば2026年8月に解体するなら、2026年度は1月1日に家があった状態で課税されています。解体後の土地として判定されるのは、原則として2027年1月1日を基準にする2027年度です。

同じ考え方で、1月2日に解体しても、その年度の家屋分が日割りで返るわけではありません。翌年度から家屋分がなくなり、土地分の扱いが変わるため、今年度と翌年度は別々の欄に置くと整理できます。

解体工事の完了日、建物滅失登記の申請日、売却予定日、翌年1月1日を1本の年表にすると、課税年度を取り違えにくくなります。年末に工事がかかる場合は、どの時点を滅失日として扱うか市区町村と土地家屋調査士へ尋ねてください。

売却後の固定資産税にも1月1日が関係します。その年の途中で売っても、法律上の納税義務者は1月1日時点の所有者です。引き渡し日以後の相当額を買主と精算する扱いは、売買契約上の合意です(国税庁「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」)。

そのため、年内に解体して翌年に売る予定なら、翌年度の土地税を誰が一度支払い、売買時にどう精算するかも不動産会社へ聞いておきます。

年表へ入れる日付:解体契約、着工、完了、滅失登記、12月31日、翌年1月1日、売買契約、引き渡し。
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解体契約の前に自治体へ相談し、現地判定を受けてから工事へ進む図

4. 契約前に自治体の減免・補助制度を確認する

危険な空き家を自主的に除却した土地について、住宅用地特例が外れた分を一定期間減免する自治体があります。全国共通の制度ではなく、対象期間、老朽度、跡地利用などの条件は自治体ごとに異なります。

久留米市の制度では、解体工事の着手前までに危険度の判定と市の確認を受ける必要があります。さらに、勧告を受けていないこと、解体後に売却・賃貸の媒介契約を結ぶことなどが要件です(久留米市「老朽化した危険な空き家の固定資産税」)。

こうした制度は、工事後に知っても事前判定をやり直せません。解体費の支援も探す場合は、解体補助金の申請順を読んだうえで、住宅政策担当と資産税担当の両方へ連絡が必要です。

また、管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、解体前でも住宅用地特例の対象から外れる場合があります。自治体から指導書類が届いている家は、税負担だけを理由に解体を先送りせず、問題箇所と対応期限を担当課へ尋ねてください。

確認先聞く内容伝える状態
住宅・空き家担当危険度判定、補助金、解体後の減免未契約・未着工
資産税担当住宅用地特例、翌年度試算、申請書地番・予定日・現行税額
不動産会社跡地の媒介条件、売却時の税精算解体と売却は未決定

「解体後に申請できるか」ではなく、「契約前に受ける判定があるか」から尋ねるのが要点です。窓口が別の場合もあるため、解体補助金と固定資産税の減免をそれぞれ確認しましょう。

検索語:市区町村名+空き家+解体後+固定資産税+減免。検索結果の日付ではなく、自治体ページに書かれた対象年度と受付期間を確認してください。
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古家付き売却と解体後売却について、売却価格から費用と税金を差し引いて比べる図

5. 税額と売却後の手残りを比べる

税額が上がるかだけで解体の可否を決めると、売却価格や工事費が抜けます。古家付き売却、契約後の更地渡し、先に解体する更地売却の3案を同じ表へ置きます。

計算式は「査定額 − 解体費 − 片付け・測量費 − 売却までの固定資産税と管理費」です。解体見積書の6項目から総額を転記し、土地税が変わる年度だけ差し替えます。

仮に古家付きの査定が800万円、先に解体した更地が950万円でも、解体・片付けに180万円かかれば、税金と仲介手数料を入れる前から更地案が30万円少なくなります。査定額の上昇だけを利益と数えないための比較です。

売却予定なら、古家付き・更地渡し・更地売却の5条件に沿って、各案の査定額と期間を不動産会社へ出してもらいます。年間の管理費は、空き家の維持費の表から拾い、査定額から解体費と売れるまでの負担を引いて2案を比べます。

土地を売るために直接必要だった解体費は、譲渡所得の計算で譲渡費用になる場合があります。ただし工事の目的や売却との関係で扱いが変わるため、契約書、領収書、工事写真を残し、申告時に税務署または税理士へ相談してください(国税庁「譲渡費用となるもの」)。

実家を売る方針が決まったら、土地と建物の名義、鍵の所在、訪問査定に立ち会える日を家族でそろえてください。解体はまだ契約せず、固定資産税を自治体へ確認している段階だと伝えれば、古家付きと解体後の条件を比べやすくなります。

持ち家売却の申込フォームでは、表示された不動産会社から最大5社を選べます。選んだ会社へ物件情報と連絡先が共有され、各社からメールまたは電話で連絡があります。申し込みと査定依頼に利用料はかからず、査定を受けた後に売却する義務はありません。

連絡を受けやすい時間帯を決め、申し込み後10日以内に本人確認と日程調整、30日以内に訪問査定へ対応できる時期に利用してください(持ち家売却公式サイト)。

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解体前に、古家付きの査定と解体案の見立てを相談する

持ち家売却なら、古家付きの実家に対応できる複数の不動産会社へ訪問査定を依頼できます。解体した場合の売り方は各社へ相談してください。

査定先を選ぶ段階では、実家の査定を頼む会社の5つの基準を使い、金額の根拠と売却期間もそろえます。税額だけの比較を、売却後に残る金額へ直すためです。

3案でそろえる数字:査定額、解体費、片付け・測量費、翌年度の土地税、管理費、売却までの月数、売買時の固定資産税精算。

参考情報

固定資産税、都市計画税、減免、譲渡所得の扱いは、土地、解体日、自治体、売買契約で異なります。個別の税額は市区町村、税務署、税理士、不動産会社へ確認してください。