空き家の解体補助金、うちも使える?役所への聞き方と契約の注意点【2026年】
「実家を壊すなら、補助金が出るかもしれない」。そう聞くと、まず上限額を調べたくなります。でも、空き家なら誰でも使える制度ではありません。
補助金を使えるかは、家の状態だけでなく、申請する人、頼む業者、契約日でも変わります。自治体へ聞きたいのは、実家が対象か、いくら出そうか、いつ契約できるかの三つです。
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空き家がある自治体の解体補助金を確認する
まず電話するのは、実家がある市区町村です。今住んでいる東京ではなく、実家が愛知県一宮市にあるなら一宮市役所が窓口になります。
公式サイトを見るなら、検索語は「一宮市 2026年度 空き家」でかまいません。見当たらないときは、「空き家」を「除却」「老朽住宅」「耐震」に置き換えます。制度名に「解体」が入っていない場合もあります。
制度ページでは、金額より先に受付期間を見てください。一宮市は2026年度の期限を9月30日としていましたが、8月6日には予算上限へ達する見込みと案内しました。募集期限が残っていても、予算に達すれば受付が終わる場合があります(一宮市「老朽空き家の解体工事に関する補助金制度」)。
ページが見つからないときの問い合わせ先は、住宅政策、空き家対策、建築指導などの担当課です。「〇〇町の空き家を解体する予定です。2026年度に使える補助金はありますか」と伝えれば、確認したい家と用件が窓口へ伝わります。
電話の前に、実家の住所、築年数、空き家になった時期、現在の名義を分かる範囲で手元に置いておくと、担当者から家の状態を聞かれたときに答えやすくなります。全部そろっていなくても、まず住所から問い合わせられます。
建物・申請者・解体業者が補助対象か確認する
制度があっても、実家が対象になるとは限りません。電話では、建物・申請する人・解体業者の順に尋ねると、どの条件で該当しないのかが分かります。
たとえば、最初に「築40年ほどで、1年以上空き家です。母屋は全部壊します」と家の状態を伝えます。父名義なら「私が申請できますか」、業者が未定なら「市内業者に限りますか。必要な許可も教えてください」と続けます。
たとえば茅野市の2026年度制度は、築30年以上で1年以上使われていない住宅などが対象です。工事も、市内の許可・登録業者へ頼む必要があります(茅野市「空き家対策促進事業補助金」)。家は対象でも、業者選びで外れてしまうことがあります。
親が亡くなった後も名義がそのままなら、誰が申請者になれるかも役所へ伝えます。兄弟との共有になっている場合も同じです。現在の名義が分からなければ、固定資産税通知書から登記簿を取る方法で確認できます。
実家が対象になりそうなら、必要な見積書の社数、宛名、工事項目まで聞いておきます。各社へ同じ条件で頼めるので、金額と工事範囲を比べやすくなります。契約はまだ先です。
解体工事比較ナビは、建物の所在地や構造などを入力すると、申込内容に合う3社前後の解体業者を紹介する無料の一括見積もりサービスです。公式サイトでは、現地調査に立ち会えない場合の相談や、断り連絡にも対応すると案内しています。
ただし、申し込めば補助金の対象になるわけではありません。紹介された業者名と許可・登録は、契約前にもう一度自治体へ伝えてください。
解体業者の見積書を取り、交付決定後に契約する
見積書が届いても、その場で工事日を決めたり、契約書へ署名したりしないでください。今回確認した一宮市・札幌市・茅野市の2026年度制度では、いずれも交付決定前の契約や着工は補助対象外です。
確認した三市では、相談から契約までに次の手続きがありました。
- 役所へ事前相談する
- 必要なら現地調査や不良住宅判定を受ける
- 自治体が指定する内容の見積書を取る
- 見積書などを添えて補助金を申請する
- 交付決定通知が届いてから契約する
札幌市は、申請前の事前確認を求め、判定結果まで約2週間と案内しています。工期だけでなく、役所の判定と審査にも時間がかかります(札幌市「危険空家等除却補助制度」)。
業者には、見積もりを頼むときに「自治体の補助金を申請するので、交付決定までは契約できません」と伝えます。見積書に有効期限と工期の目安があれば、審査にかかる日数を見ながら着工時期を相談できます。
見積書を受け取ることと、工事を発注することは別です。依頼書に「発注」「工事日確定」などの文言があれば、署名する前に自治体へ確認してください。
補助対象経費を分けて自己負担の目安を出す
そう考えたくなりますが、50万円をそのまま引けるとは限りません。補助金は、対象になる工事費へ補助率を掛け、上限額などと比べて決まります。残置物の処分や消費税など、計算に入らない費用もあります。
札幌市の通常型なら、対象となる除却工事費の3分の1、国の標準除却費をもとにした額、50万円のうち最も低い額です。役所へ見積書を見せ、「どの項目が補助対象ですか」と尋ねれば、補助率を掛ける金額が分かります。
建物本体、廃棄物、養生、付帯物などが見積書で分かれていると、役所へ質問しやすくなります。項目の見方は、空き家の解体費用と見積書の6項目にまとめています。
交付額が決まる前は、「150万円から50万円を引けばよい」とは決められません。対象外の費用も含めて、自己負担は幅を持たせて考えておきます。
補助金が工事後に振り込まれる場合は、いったん工事代を支払うお金も必要です。解体後に土地の固定資産税が上がる場合もあるため、住宅用地の特例が外れる時期も確認しておくと、翌年までの支出を見通せます。
工事後に完了報告と建物滅失登記を行う
工事が終わっても、補助金の手続きは続きます。工事後の写真、請求書、領収書などを添えた完了報告が必要です。写真の撮り方に指定がある自治体もあるため、着工前に自治体の案内を業者へ渡しておきましょう。
完了報告には期限があります。一宮市は、工事完了から30日以内か2026年11月30日の早い方まで、その後も補助額確定通知から10日以内に請求書を出すよう案内しています。
登記されている建物を壊したら、建物滅失登記も必要です。原則として取り壊した日から1か月以内に申請します(法務局「登記の申請を御検討されている皆さまへ」)。工事会社から取壊し証明書を受け取り、申請先と必要書類は法務局の「建物を取り壊した」で確認してください。
工事用のファイルを一つ作り、交付決定通知、見積書、契約書、工事写真、請求書、領収書、取壊し証明書を入れておけば、完了報告と滅失登記で探し直さずに済みます。土地を売る予定なら、古家付き・更地渡し・更地売却の違いも先に比べておきましょう。
参考情報
- 一宮市:老朽空き家の解体工事に関する補助金制度
- 札幌市:危険空家等除却補助制度
- 茅野市:空き家対策促進事業補助金
- 法務局:登記の申請を御検討されている皆さまへ
- 法務局:建物を取り壊した(建物滅失登記)
- 解体工事比較ナビ:公式サイト
解体補助金は自治体、年度、予算、建物、所有関係、業者、契約時期で条件が変わります。申し込めるかどうかは、空き家がある市区町村へ契約前に確認してください。
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