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親名義の実家は誰が売る?本人・子の代理・成年後見

親が施設へ入って実家が空いても、子どもがそのまま売主になるわけではありません。一方で、親が高齢だからといって、必ず成年後見制度を使うわけでもありません。

入口は、親本人が売る・子が代理する・成年後見人等が売るの三つです。土地と建物の名義、親の売却意思、子へ任せる範囲を順に確かめれば、誰が査定や契約へ進めるのかが分かります。

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親名義の実家について、家の書類と鍵を前に売却の進め方を話す母と娘の線画イラスト
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1. 土地・建物の名義と親の売却意思を確かめる

査定の連絡を子が手伝うことはできますが、まず売主を確定させます。固定資産税の課税明細で地番と家屋番号を探し、土地と建物それぞれの登記事項証明書を取ってください。

納税通知書の宛名だけでは、登記名義を確定できません。建物は母名義でも土地は父母の共有、私道だけ祖父名義ということがあります。所有者欄では氏名と住所、共有なら持分も確かめます。

登記事項証明書は、法務局の窓口、郵送、オンラインで請求できます。窓口請求は1通600円です(法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」)。

共有者がいる家は、親一人の意思だけで家全体を売却できるとは限りません。誰が共有者で、各人が売却に同意しているかを分けて確かめます。

名義と一緒に、親が「家を売ること」「希望する時期や価格」をどこまで理解し、自分の意思として話せるかも確かめます。親の意思を確認できない間は、委任状の作成や査定申込みをいったん止めます。

地番や家屋番号が分からない場合は、固定資産税の課税明細から登記事項証明書を取る順番で確認できます。

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2. 契約内容を理解できる親は、本人が売主になる

親が売却条件を理解し、自分で意思を示せるなら、施設入居中でも親本人が売主です。子は、実家の写真を撮る、書類を探す、不動産会社との連絡や訪問日を調整するといった準備を手伝えます。

親本人には、査定額だけでなく、売出価格、値下げの条件、仲介手数料、家財や建物をどの状態で引き渡すかも説明されます。分からない項目をその場で聞き返せるよう、子も同席できるか尋ねておくと安心です。

ただし、媒介契約や売買契約を誰が結ぶのかは、家族内の役割分担とは別です。不動産会社には、売買契約の締結や媒介に先立ち、顧客の氏名・住所・生年月日、取引目的などを確かめる手続きがあります(国土交通省「不動産業者のための犯罪収益移転防止法等連絡協議会資料」)。

親が電話しづらい、外出できないという事情は、最初の相談でそのまま伝えて構いません。対面、オンライン、施設への訪問など、本人確認と意思確認をどのように行うかは、不動産会社や決済を担当する司法書士へ先に尋ねます。

不動産会社への伝え方

売主は母で、売却する意思があります。母は施設に入っているため、物件の案内と日程調整は娘の私が担当する予定です。母本人への説明と本人確認は、いつ、どの方法で必要ですか。

親がどこまで対応し、子がどこから手伝うかが決まれば、次は委任状が必要になる手続きを分けられます。売却前にそろえる書類や家族の条件は、親の家を売る前の5項目で続けて確認できます。

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3. 子が代理するなら、委任する手続きを一つずつ決める

「実家の売却をすべて任せる」とだけ書いた委任状を先に作るのは避けましょう。査定の申込み、媒介契約、価格交渉、売買契約、代金の受領、所有権移転登記では、任せる行為も確認する相手も違います。

  • 査定・物件案内:子が申込み、鍵を開けて現地を案内してよいか
  • 媒介契約:親本人が契約するか、子が代理で契約するか
  • 売買条件:売出価格、値下げ、手付金、引渡日を子がどこまで決められるか
  • 売買契約・決済:署名押印、本人確認、代金受領、登記手続きを誰が行うか

法務局は、登記申請を代理人へ委任する場合、委任者、受任者、委任内容、不動産の表示、委任日を最低限の記載事項として案内しています(法務局「代理権限証明情報とは」)。これは登記申請の案内であり、売却全体を任せる万能なひな型ではありません。

対象不動産と任せる範囲を不動産会社へ伝え、媒介契約用、売買契約用、登記用に何が必要かを尋ねてください。親本人への意思確認方法、実印、印鑑証明書なども司法書士へ聞いてからそろえます。

親が委任内容を理解して意思を示せない場合は、家族だけで委任状を作らず、成年後見制度について相談できる窓口へ問い合わせます。

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4. 成年後見人等が親の居住用不動産を売るなら、家庭裁判所の許可を得る

親が契約内容を理解して意思を示すことが難しく、すでに成年後見人等が選任されている場合は、その権限を確かめます。保佐人・補助人が不動産を処分するには、その代理権が付与されていることが前提です。

実家が親の居住用不動産に当たる場合、成年後見人等は家庭裁判所の許可を得ずに処分できません。今は施設で暮らしていても、入所前に住んでいた家や、将来戻る可能性がある家は居住用不動産に含まれ得ます。

申立先は後見開始などを審判した家庭裁判所です。申立手数料は収入印紙800円で、郵便料は裁判所ごとに異なります。標準的な添付書類には、登記事項証明書、処分の必要性を示す資料、不動産会社の査定書などがあります(裁判所「居住用不動産の処分についての許可」)。

家庭裁判所の許可を得ない処分は無効になると、裁判所は案内しています。買主候補や売却条件を決める前から、申立先の家庭裁判所と不動産会社へ、査定書や契約案をどの段階で用意するか確認してください。

成年後見制度を使うべきか、誰が後見人等に選ばれるかを記事だけで判断することはできません。市区町村の地域包括支援センター、弁護士会、司法書士会、法テラスなどが相談先として案内されています(法務省「成年後見制度・成年後見登記制度Q&A」)。

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5. 売主と代理権が決まったら、訪問査定を依頼する

訪問査定へ進めるのは、売却する方針が決まり、親本人または権限のある代理人が不動産会社の確認に応じられる段階です。査定フォームへ入力する前に、次の項目をそろえます。

  • 土地と建物の登記名義、共有者、親の売却意思
  • 申込者と売主の関係、委任している場合はその範囲
  • 親本人または代理人への連絡方法と、本人確認へ対応できる日時
  • 実家の鍵、家財の状況、訪問査定に立ち会える日
  • 売却を希望する時期と、家族内でまだ決まっていない条件

親の意思や代理権がまだ確認できない場合は、査定会社を増やすより、第1章から確認し直すほうが先です。申込み後に売主へ連絡が取れなければ、訪問査定の日程を決められません。

売主、連絡方法、鍵、訪問可能日までそろった人は、複数社へ同じ条件を伝えると、査定額だけでなく、親本人への確認方法や代理売却への対応も比べられます。

持ち家売却は、一度の入力で複数の不動産会社へ訪問査定を依頼できるサービスです。利用には、申込みから10日以内の本人確認・日程調整と、30日以内の訪問査定への対応が必要です。代理で申し込めることを一律に保証する案内ではないため、売主との関係と委任範囲は各社へ伝えてください。

申込み前に、所有者の意思、名義、鍵、訪問日程を確認してください。査定先の地域実績や価格根拠は、実家を査定する不動産会社の比べ方へ続きます。

参考情報

本人確認、委任状、媒介契約、売買契約、登記に必要な書類は、親本人の状況、代理権、物件、取引方法で変わります。個別判断は不動産会社、司法書士、弁護士、申立先の家庭裁判所へ確認してください。