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実家の相続を兄弟でどう話す?家族会議で決める5つのこと

兄弟姉妹で実家のことを話すとき、いきなり「売るか、残すか」を決めようとすると、親への思い、介護の負担、お金の話が一度に重なります。親が存命なら本人の希望と今の管理、相続開始後なら遺言書と相続人が出発点です。

最初の家族会議は、全員の意見を一度で合わせる場ではありません。相続人と名義、立替と管理負担、各人の希望を分けて確認すると、次に調べることがはっきりします。

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兄弟姉妹が実家の名義、費用、希望を同じ資料で話し合う図
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1. 初回は売る・残すを決めず、確認する事実をそろえる

間に立つ智子さんが、一人で結論を作る必要はありません。初回の目的は「誰の案を採るか」ではなく、同じ資料を見ながら、分からないことを分けることです。

最初の連絡に入れたいのは、会議の目的、候補日、所要時間、手元にある資料です。固定資産税の課税明細、実家の写真、電気・水道・保険などの支払、遺言書の有無が候補になります。

見つからないものは「未確認」と書けば十分です。資料探しが終わるまで、兄弟への連絡を待つ必要はありません。

兄弟姉妹へ送る連絡文の例

実家を売るか決める前に、今の名義と年間費用、みんなの希望を一度そろえたいです。分かる範囲の資料を送ります。○日か○日に60分だけ話し、足りない資料の担当と次回日程まで決めませんか。

全員が集まれないときは、同じ質問を先に送り、欠席者の希望も会議メモへ入れます。出席した人だけの会話を、全員の合意にはしません。

過去の介護や親との関係は、初回の招集文に書かない方が話を始めやすくなります。まず確認するのは、誰と、どの実家について話すのかです。

次は、会議へ参加する人と、話し合う土地・建物の範囲を確かめます。

初回の終了条件は「売る・残すを決める」ではなく、「次に誰が何を調べるかが決まる」です。
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2. 遺言書・相続人・土地建物の名義を確認する

兄弟姉妹だけで話し始める前に、遺言書の有無と戸籍を確認すると、相続人の範囲を確かめられます。

親の配偶者が存命、前の婚姻による子がいる、先に亡くなった子に子どもがいるなど、参加すべき人が想定と違う場合もあります。

法定相続情報一覧図は、戸籍の記載から判明する法定相続人を一覧にしたものです。法務局は、配偶者と子、子のみ、代襲相続などの様式例を公開しています(法務局「法定相続情報一覧図の様式・記載例」)。

一覧図は相続人の確認に使うもので、誰が実家を取得するかを決める書類ではありません。遺産の分け方は、相続人が分かった後の家族会議で扱います。

土地と建物の登記事項証明書を別々に取り、名義人と共有持分を会議メモに残せます。課税明細に私道、離れ、農地が載っていれば、それらも確認の対象です。

地番や家屋番号が分からないときは、固定資産税通知書から実家の名義を確認する手順でたどれます。

  • 人:遺言書の有無、戸籍で分かる相続人、連絡が取れていない人
  • 建物:登記名義人、共有持分、未登記の増築や離れ
  • 土地:敷地、私道、農地など地番ごとの名義と共有持分

親が存命なら、決めるのは本人の希望、現在の支払、緊急時の連絡方法です。子どもだけで相続後の分け方を確定する場にはしません。すでに相続が始まっているなら、遺言書と相続人を確認してから、取得する人や売却について話します。

相続人や不動産の範囲が分かれば、「誰が正しいか」ではなく「誰が何を負担してきたか」を話せます。お金、作業、希望を分けて扱うと、それぞれの事実も確かめやすくなります。

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3. 立替・作業・希望を別々に記録する

固定資産税を払った人、片付けに通った人、介護を担った人。家族ごとに負担の形が違います。

その負担と「実家を残したい」という気持ちを一緒に話すと、支出や作業の確認が、そのまま家族への評価になってしまいます。

すぐに優劣を付けず、会議メモを三つの欄に分けると話しやすくなります。家そのものにかかった費用、家族が行った作業と立替、これからの希望です。

  • 実家の費用:固定資産税、保険、光熱費、管理費、修繕費
  • 作業と立替:日付、作業内容、支払額、領収書の有無、担当者
  • 各人の希望:住む、売る、期限付きで管理する、判断に必要な条件

立替金の記録は、支出の事実と証拠をそろえ、家族で話せる精算と、専門家へ確認すべき論点を分けるために使います。介護や管理への貢献を遺産分割へどう反映するかは、資料をそろえたうえで弁護士などへ確認してください。

希望には理由と条件も添えます。「残したい」なら、誰が住み、税金や修繕を負担できるか。「売りたい」なら、希望時期と査定で確かめたいこと。「今は決められない」なら、いつまで保留し、その間の管理を誰が担うかです。

費用、作業、希望が分かれたら、次は実家の三つの案を同じ条件で比べます。

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4. 引き継ぐ・売る・期限付き管理を比べる

ここまでそろうと、実家を一人が引き継ぐ案、売却して代金を分ける案、期限付きで管理する案を並べられます。

思い入れの強さだけで比べず、必要なお金、作業、期限、同意を三案とも同じ順番で比べます。

  • 一人が引き継ぐ:不動産の評価、他の遺産との調整、維持費を払えるか
  • 売却する:査定の条件、売却費用、家財、契約や連絡の担当者
  • 期限付きで管理する:年間負担、現地確認、再び話し合う日

固定資産税評価額、査定額、売却後に残る金額は別です。売却案を比べるなら、同じ家財・修繕条件で査定を取り、仲介手数料、登記、測量、片付け、税などを差し引きます。費用の見方は実家を売るときにかかる費用で確認できます。

共有持分を持つ人が増えると、その後の売却や管理で確認する相手も増えます。「法定相続分どおりなら公平」と家族だけで決め切らず、取得方法と将来の処分まで司法書士や弁護士へ伝えてください。

保留にも期限が必要です。「来年の春まで管理し、2月にもう一度話す」のように、再協議日と保留中の費用・現地担当まで家族会議で決めます。期限のない保留は、誰か一人の立替と作業を増やしがちです。

三つの案を比べても決められない論点は、外部へ聞く質問として残せます。最後に、家族で決めたことと専門家へ確認することを分けておきます。

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5. 決定・未決・確認先を会議メモに残す

会議の最後に、決まったこと、決まっていないこと、確認先、担当者、期限を読み上げます。

「兄が調べる」ではなく、「8月31日までに土地と建物の登記事項証明書を取り、共有フォルダへ保存」のように、日付と成果物まで決めておきます。

  • 決定事項:当面の管理、支払方法、資料の保管先、次回日程
  • 未決事項:実家を取得する人、売却、代金の分け方、立替精算
  • 外部への質問:相続人、相続税、相続登記、不動産の評価、必要な書類

不動産の相続登記は、取得したことを知った日から原則3年以内に申請が必要です。2024年4月1日より前に始まった相続も対象です。

2024年4月1日より前から取得を知っていた場合、期限は2027年3月31日です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

相続税の申告が必要な場合は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割の話し合いが続いていても期限は来るため、必要か分からない段階で税務署や税理士へ相談してください(国税庁「相続税の申告と納税」)。

相続人や遺産の範囲について主張が食い違い、当事者だけでは話せないときは、弁護士などが相談先になります。話し合いがつかない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用できると裁判所が案内しています(裁判所「遺産分割調停」)。

相続アシストの対象地域は、東京・神奈川・大阪・京都・兵庫です。相続税申告と相続登記を同じ窓口で相談したい方は、依頼できる手続きと費用を申し込み前に確認できます。

相続アシストは、税理士法人SWATSとSWATS法律事務所が共同運営し、税理士・弁護士・司法書士が連携するサービスです。戸籍などの書類収集から相続税申告、相続登記まで相談できます。

東京・大阪・神戸の拠点に加え、公式サイトではオンライン面談も案内しています。

相談前に、被相続人、相続人、遺言書の有無、実家の所在地、分かる範囲の財産、家族で未決の項目を控えておくと、相談したい内容を伝えやすくなります。

相続税申告が必要か、登記にどの書類が必要かは家庭ごとに異なります。対応地域、依頼できる手続き、費用を公式サイトで確認し、申し込み後は担当者からの連絡と具体的なヒアリングに対応してください。

売却する方針まで決まったら、次に役立つのが相続した実家を売る前のチェックリストです。まだ方針を決められない場合は、会議メモへ戻り、判断に足りない資料と次の担当者を一つずつ埋められます。

家族会議で目指すのは、全員を一度で同じ意見にすることより、次の一歩を決めることです。決まっていないことも隠さず、必要な資料、担当者、期限が言葉になっていれば、話し合いは前へ進んでいます。

参考情報

相続人、遺産の範囲、分割方法、相続税、登記に必要な手続きは家庭ごとに異なります。戸籍・遺言書・登記・財産資料をそろえ、税務署、法務局、税理士、司法書士、弁護士などへ個別に確認してください。